各種健診等保健事業
● 特定健康診査等実施計画(3期計画 平成30年4月作成)
1. 背景及び趣旨
   我が国は国民皆保険のもと世界最長の長寿国となり高い保健医療水準を達成してきた。しかし今後、急速な少子高齢化の進展や医療技術の進歩等大きな環境変化に直面しており、世界に冠たる我が国の医療制度を持続するためにも、その構造改革が急務となっている。
 このような状況に対応するため、特に高齢者の疾病が生活習慣病に基づく慢性疾患であることに着目し、国は高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて、保険者に被保険者及び被扶養者に対し、糖尿病を始めとする生活習慣病に関する健康診査(特定健康診査)及びその結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導(特定健康指導)を実施することとされた。
 本計画は、当健康保険組合の特定健康診査及び特定保健指導の実施方法に関する基本的な事項について定めるものである。
 なお、高齢者の医療の確保に関する法律第19条により、6年ごとに6年を一期として特定健康診査等実施計画を定めることとする。
 
 
2. 当健康保険組合の現状
 
   当健康保険組合は、一般の住宅、店舗その他これらと同規模の建築物の屋内外の電灯需要及び電力需要にかかる電気設備工事並びにネオン装置工事等一式を主たる業とする事業所が加入している健康保険組合である。
 平成29年度の事業所数は642件で、約96%が東京に所在している。
 支店や営業所は全国に点在しており、一都六県に在勤している被保険者及び被扶養者は約80%、それ以外の在勤者は約20%程度である。
 加入事業者は、零細・中小事業者が多く、被保険者20人未満の事業所が全体の74%を占めている。1事業所あたりの平均被保険者数は、約34人である。
 当健康保険組合に加入している被保険者は、平均年齢が45.82歳で、男性が全体の87%強を占める。
 健康診断については、当健康保険組合の直接契約健診機関100箇所、健康保険組合連合会の契約期間200箇所及び東京都総合組合保健施設振興協会(略称 東振協)の契約健診機関約1,500箇所と契約し、合計1,800箇所で実施が可能である。
 平成28年度の健診の実施人数は、全体で13,347人(内訳:被保険者11,632人、被扶養者1,715人)であった。
 
3. 特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項
 
 
(1)
特定健康診査等の基本的考え方
 日本内科学会等内科系8学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を示した。これは、内臓脂肪型に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧は予防可能であり、発症した後でも血糖、血圧をコントロールすることにより重病化を予防することが可能であるという考え方を基本としている。
メタボリックシンドロームの概念を導入することにより、内臓脂肪の蓄積や、体重増加等が様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため、健診受診者にとって生活習慣の改善に向けての明確な動機付けができるようになる。
(2)
特定健康診査等の実施に係る留意事項
 今後、市町村国保の行う健康診査を受診している被扶養者の数を調査し、そのデータを受領するとともに、今後は当健康保険組合が主体となって特定健診を行いそのデータを管理する。
(3)
事業者等が行う健康診断及び保健指導との関係
 事業者が健診を実施した場合は、当健康保険組合はそのデータを事業者から受領し健診データとして活用する。健診費用は、事業者が負担する。
(4)
特定保健指導の基本的考え方
 生活習慣病予備群の保健指導の第一の目的は、生活習慣病に移行させないことである。
 そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して自らの生活習慣を変えることができるように支援することにある。
 
4. 達成目標
 
 
(1)
特定健康診査の実施に係る目標
 令和5年度(6年後)における健康診査の実施率を85.0%とする。
 この目標を達成するために、平成30年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。
目標実施率(%)
 
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
国の
参酌標準
被保険者
88.0
90.0
92.0
93.0
94.0
95.0
被扶養者
29.8
35.1
40.4
47.8
55.1
63.7
被保険者+被扶養者
70.0
73.0
76.0
79.0
82.0
85.0
85.0
(2)
特定保健指導の実施に係る目標
 令和5年度における特定保健指導の実施率30.0%とする。
 この目標を達成するために、平成30年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。
目標実施率(人)
(被保険者+被扶養者)
 
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
国の
参酌標準
40歳以上対象者(人)
21,650
21,950
22,250
22,600
22,850
22,400
特定保健指導
対象者数(推計)
3,652
3,862
4,075
4,302
4,515
4,588
実施率(%)
6.0
12.0
18.0
20.0
26.0
30.0
30.0%
実施者数
219
463
734
860
1,084
1,376
 東京の近隣地域については、当健康保険組合の契約健診機関で行う。処理能力を超えてしまう場合は保健指導を委託する。
 今後は、遠隔地の者について保健指導ができるように、委託先を増やして行く。
(3)
特定健康診査等の実施の成果に係る目標
 令和5年度において、平成20年度と比較した特定保健指導対象者の減少率を25%以上とする。
 
5. 特定健康診査等の対象者数
 
 
(1)
対象者数
1 特定健康診査
  被保険者(人)
   
 
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
40歳以上対象者
14,950
15,150
15,350
15,600
15,800
15,250
 
目標実施率(%)
88.0
90.0
92.0
93.0
94.0
95.0
目標実施者数
13,156
13,635
14,122
14,508
14,852
14,488
  被扶養者(人)
   
 
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
40歳以上対象者
6,700
6,800
6,900
7,000
7,050
7,150
 
目標実施率(%)
29.8
35.1
40.4
47.8
55.1
63.7
目標実施者数
1,999
2,389
2,788
3,346
3,885
4,553
  被保険者+被扶養者(人)
   
 
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
40歳以上対象者
21,650
21,950
22,250
22,600
22,850
22,400
 
目標実施率(%)
70.0
73.0
76.0
79.0
82.0
85.0
目標実施者数
15,155
16,024
16,910
17,854
18,737
19,041
2 特定保健指導の対象者数
  被保険者+被扶養者(人)
   
動機付け支援
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
40歳以上対象者
21,650
21,950
22,250
22,600
22,850
22,400
動機付け支援対象者
1,303
1,378
1,454
1,535
1,611
1,637
実施率(%)
6.0
12.0
18.0
20.0
24.0
30.0
実施者数
78
165
262
307
387
491
 
積極的支援
平成
30年度
平成
31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
令和5年度
積極的支援対象者
2,349
2,484
2,621
2,767
2,904
2,951
実施率(%)
6.0
12.0
18.0
20.0
24.0
30.0
実施者数
141
298
472
553
697
885
 
保健指導対象者計
3,652
3,862
4,075
4,302
4,515
4,588
実施率(%)
6.0
12.0
18.0
20.0
24.0
30.0
実施者数
219
463
734
860
1,084
1,376
 
6. 特定健康診査等の実施方法
 
 
(1)
実施場所
 特定健診は、当健康保険組合の契約健診機関等に委託する。遠隔地の者の特定健診については必要に応じ代表医療保険者を通じて健診機関の全国組織との集合契約を結び、代行機関として支払基金を利用して決済をおこない全国での受診が可能となるよう措置する。
 特定保健指導は、当健康保険組合の直接契約健診機関のうち保健指導を行える機関等に委託する。遠隔地の者の特定保健指導についても保健指導を行える機関に委託する。
(2)
実施項目
 実施項目は、標準的な健診・保健指導プログラム第2編第2章に記載されている健診項目とする。
(3)
実施時期
 実施時期は、通年とする。
(4)
委託の有無
ア.特定健診
   被保険者・被扶養者が遠隔地にいる場合等など受診が困難である場合は、代表医療保険者を通じて健診機関の全国組織との集合契約を結び、代行機関として支払基金を利用して決済をおこない全国での受診が可能となるよう措置する。
イ.特定保健指導
   被保険者・被扶養者が遠隔地にいる場合等など受診が困難である場合は、標準的な健診・保健指導プログラム第1編第1章の考え方に基づきアウトソーシングする。また、代行機関として支払基金を利用して決済をおこない全国での利用が可能となるよう措置する。
(5)
受診方法
 当健康保険組合の契約健診機関により受診を希望する日時を登録したうえで、特定健診又は、特定保健指導を受ける。
 遠隔地の場合は、当健康保険組合が、被保険者・被扶養者のうち特定健診等対象者の分の受診券・利用券を直接対象者に送付する。
 当該被保険者・被扶養者は、受診券又は利用券を健診機関等に被保険者証とともに提出して特定健診を受診し、特定保健指導を受ける。
 受診の窓口負担は無料とする。ただし、規定の実施項目以外を受診した場合はその費用は個人負担とする。
(6)
周知・案内方法
 周知は、当健康保険組合機関紙等に掲載するとともにホームページに掲載して行う。
(7)
健診データの受領方法
 健診のデータは、契約健診機関等から電子データを随時(又は月単位)受領し、当健康保険組合で保管する。また、特定保健指導について外部委託先機関実施分についても同様に電子データで受領するものとする。なお、保管年数は5年とする。
(8)
特定保健指導対象者の選出の方法
 特定保健指導の対象者については、全件を抽出し、特定保健指導の案内を送付する。
 
7. 個人情報の保護
 
   当健康保険組合は、東京都電気工事健康保険組合個人情報保護管理規程を遵守する。
 当健康保険組合及び委託された健診・保健指導機関は、業務によって知り得た情報を外部に漏らしてはならない。
 当健康保険組合のデータ管理者は、常務理事とする。またデータの利用者は当健康保険組合保健課職員に限る。
 外部委託する場合は、データ利用の範囲・利用者等を契約書に明記することとする。
 
8. 特定健康診査等実施計画の公表・周知
 
   本計画の周知は、各事業所にパンフレットを送付するとともに、機関誌やホームページに掲載する。
 
9. 特定健康診査等実施計画の評価及び見直し
 
   当計画については、毎年理事会において見直しを検討する。また、令和3年度に3年間の評価を行い、目標と大きくかけ離れた場合その他必要がある場合には見直すこととする。
 
10. その他
 
   当健康保険組合の職員については、特定健診・特定保健指導等の研修等に随時参加させる。
このページの先頭に戻る